セント・ポール大聖堂ドームからの眺め

ロンドンのシティーにそそり立つセント・ポール大聖堂のドーム。何度も、このドームを仰ぎ見ながら、そばを行き来することがあるにも関わらず、内部を訪れたのは、もう30年近く前となります。ここ数年、毎年のように、「今年こそは、セント・ポール大聖堂内の観光を久しぶりに。」などと思いつつ、実行せずにおり、気になっていたところ、やっと、先日、再訪しました。

今は、大人の入場料は、19ポンド。1994年発行のガイドブックを見てみると、この頃の入場料は2ポンド50ペンス。ドームに登るチケット付きで4ポンド50ペンスとなっています。

内部では、英語での90分のガイドツアーなどもあり、追加料金なしでやってくれるので、これに参加することにしました。ツアー開始時間まで1時間あったので、その間に、ドームのてっぺんまで登って、ロンドンのスカイラインを眺めることにし。

ドームの先端までの高さは111メートル。行けるところまで登るには、階段は全528段。上の図は、セント・ポール大聖堂の公式サイトから拝借。

この図からもわかるよう、ドームは3重構造になっていて、外から見えるドームと、内側のドームが緩やかな丸い形。隠れた真ん中の、いささか先のとんがったドームが、一番の働き者で、外からは一切見えないながら、外側のドームからにょきっと出ている、十字を掲げる石のランタンを支えるという重労働をしています。これは、ドーム全体の重さを軽くし、外壁にかかる負担を減らすための工夫。聖堂内部からドームを見上げた時に見える天井画は、内側の一番下のドームに描かれているものです。さらに、せっかく作った見事なドームの内部がみえるように、自然光を取り入れるため、真ん中に明かり取りが、くりぬけてあります。

まずは、階段を257段くるくる上がり、Whispering Gallery(ささやきの回廊)へたどり着きます。ここからは、ドームの内部を、ぐるりと一周して眺めることができ、ベンチがめぐらしてあるので、ゆっくりと座って天井画を眺めることもできます。また、柵にほほ杖付き、遥か下の床を見下ろしても良し。この回廊で、壁にむかってひそひそとささやくと、回廊の反対側にいる人が、その、ささやいた言葉を聞ける・・・なんぞというので「Whispering Gallery」と呼ばれているのです。実際、ベンチに座って、何か、ぼそぼそささやいている人がいました。実験していたのかもしれません。このささやきの回廊を使って、恋人にプロポーズをした観光客がいるなどという、まことしやかな話も聞いたことがあります。

上の写真左側が、下から、ささやきの回廊とドームの天井画を仰ぎ見た様子。この写真は、以前、テレビに映っていたものを取ったものです。モノクロームの天井画は、ジェイムス・ソーンヒル(James Thornhill)によるもので、セント・ポール(聖パウロ)の生涯を描いたもの。前述の通り、天井画は、外から見えるドームに描かれているものではなく、一番下の支えのドームの内側に描かれています。

ささやきの回廊で、聖堂内を上から観賞した後、再び、階段に戻り、更に上ると、今度は戸外に出ます。ここがStone Gallery。Stone Galleryや、 Golden Galleryからの景色は、内部と違って、時代とともに変わっていくので、記録しておこうとカメラを向けました。前回来た時は、当然、デジカメなども無く、カメラも持って入らなかったのか、写真は一切無いのです。もし、この時、ここからの写真を撮っていたら、その様子は現在とかなり違うものだった事でしょう。あの頃は、セント・ポール大聖堂の周りも、少々さびれた感じであったし、ガーキン、チーズグレーター、ウォーキートーキーなどの、妙な形のシティーの高層ビルも無かったわけですから。

せっかくだから、一番上まで行かないと、とStone Galleryをぐるり1周後、 Golden Galleryへと、更に階段を登って行きます。

Golden Galleryまで登ったはいいが、高所恐怖症で固まってしまったお姉さんが一人、友達に促されながら、「あー怖い、ひー」と言いながら、壁に吸い付くようにしてのろのろ回っていました。高いところが怖い人は、登らないほうが無難かもしれません。

上の写真は、Golden Galleryから、セント・ポールの南西、ウェストミンスター方面を見たもの。テムズ川の南岸にあるロンドン・アイも望めます。

こちらは、北西の眺め。セント・ポールすぐ脇にあるパタノスター広場を見下ろしたもの。この広場の入り口には、かつては、シティーとウェストミンスター地域の境界に立っていたテンプル・バー・ゲイトが設置されています。テンプル・バー・ゲイトは、セント・ポール同様、クリストファー・レンによるデザイン。ついでながら、現段階では、パタノスター広場は、日本の三菱地所の所有です。

にわか雨や不安定な天気の多い4月ですから、北東方面に、巨大な雨雲が見えました。あの下あたりは、雨がざーざー降っていたのかもしれません。

南側には、2000年に作られた、テムズ川を渡る歩行橋が、テート・モダン美術館へと続いています。そして南東には、シャードのとんがり頭。シャードの背後にも、雨雲らしきものが・・・。

ロンドンのパノラマと、4月の空模様を、ひとしきり楽しんだ後、さて、そろそろ、ガイドツアーの始まる時間かな、と、階段をくるくる降りて、ちょっと前に、ささやきの回廊から眺めていた聖堂の床に降り立ちました。また20年くらい経ってから、足腰がまだちゃんとしていたら、この528段の階段を再び登り、どれくらい景色が変わったか眺めてみてもいいかと、長期計画をたてています。

という事で、次回は、セント・ポール大聖堂の歴史と、内部の事を書くこととします。こちら

追記:2019年4月現在の情報

今月、ささやきの回廊から、若者が、飛び降り自殺をするという事件がありました。まきぞいになって、ケガをしたり、死亡してしまう人がいなかった事だけは、みっけものですが、これを目撃してしまった人には、大変なトラウマとなったでしょう。約1年前にも同じような事件があったため、現在の段階では、ささやきの回廊は閉鎖されており、入れません。今後、ガラス張りにする、柵を高くするなど、対策を検討中のようです。石の回廊、金の回廊は、現在も入れます。


コメント

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